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ソフトボールは、もっと面白い
#016
ソフトボールを指導していると、同じグラウンドに立っていても、選手によって見えているものが違うと感じることがあります。
ボールだけを見ている選手。
相手を見ている選手。
仲間を見ている選手。
そして、試合全体を見ている選手。
この違いは、技術の差だけではありません。
競技をどれだけ理解しているか。
私は、そこに大きな差が生まれると考えています。
ソフトボールには、投げる、捕る、打つ、走るという基本技術があります。
でも、試合で求められるのは「技術を持っていること」だけではありません。
その技術を、いつ、どこで、どのように使うのか。
ここに「判断」があります。
例えば守備。
打球が飛んできてから動くのではありません。
打者の特徴、アウトカウント、走者の位置、得点差、守備位置、相手の走力。
さまざまな情報を持った上で、「もしここに打球が来たら」と準備しておく。
だから、守備の上手い選手は、捕る技術だけが優れているわけではありません。
打球が飛んでくる前から、すでにプレーを始めている。

走塁も同じです。
塁に出たから走るのではありません。
投手の動き、野手の位置、ボールの軌道、次の塁までの可能性。
さまざまな情報を見ながら、次の判断を準備しています。
そして攻撃も同じです。
打席では、ただ「打つ」だけではありません。
相手投手の特徴、守備位置、走者の状況、試合の流れ。
それらを踏まえて、自分の打席をつくっていく。
つまりソフトボールは、「技術を使う競技」であると同時に、「情報を集めて判断する競技」でもあります。
ここを理解すると、練習の意味も変わります。

キャッチボールも、ただ相手にボールを投げるだけではない。
相手が捕りやすいボールを投げる。
相手の状態を見る。
声を掛け合う。
次のプレーを意識する。
ノックも、ただ打球を捕るだけではありません。
「この打球なら、どこへ投げる?」
「走者がいたら?」
「一つのアウトを取るのか、次のプレーまで考えるのか?」
そう考え始めた瞬間、練習はゲームに近づいていきます。
私は、選手たちに技術を教えることと同じくらい、競技の見方を教えることを大切にしています。
なぜなら、競技を理解すればするほど、自分で考えられるようになるからです。
試合では、指導者がすべての答えを教えることはできません。
グラウンドに立つのは選手です。
その瞬間に何が起きているのかを見て、考えて、選択する。
だからこそ、日々の練習から「なぜ?」を大切にしたい。
なぜ、このプレーなのか。
なぜ、この場所なのか。
なぜ、この選択をしたのか。
その問いを持つだけで、同じ練習、同じ試合でも、見えるものが変わってきます。

技術が増えれば、できることが増える。
知識が増えれば、分かることが増える。
経験が増えれば、気づけることが増える。
そして、考えるようになれば、今まで見えていなかったものが見えてくる。
それが、ソフトボールの面白さです。
ソフトボールは、ただ技術を競うスポーツではありません。
見る。
読む。
考える。
選ぶ。
その一つひとつが、次のプレーをつくっていきます。
だから、もっと知ってほしい。
もっと考えてほしい。
もっと競技を楽しんでほしい。
知れば、見える。
見えれば、考えられる。
考えれば、
ソフトボールはもっと面白くなる。


