PEGAZINE-ブログ-
ツーストライクは不利ではない。ゲームが変わるだけ。
#015
「追い込まれた。」
この瞬間、多くの選手は”ピンチ”だと考えます。
だから焦る。
だから当てにいく。
本来のスイングを見失ってしまいます。
しかし、本当に考えるべきことはそこではありません。
ツーストライクになった時点で、打席の目的が変わるのです。
ノーストライクやワンストライクでは、打者が主導権を握れる場面があります。
甘い球を一振りで仕留める。
自分のタイミングで勝負する。
それが理想です。
ところが、ツーストライクになると状況は変わります。
そこで同じ考え方、同じスイング、同じ狙い方を続けていては、投手の思うつぼです。
つまり、追い込まれてから必要なのは「根性」ではありません。
思考の切り替えです。
まず、打席のゴールを変えます。
「長打を打つ」ではなく、「アウトにならない」
「決める」ではなく、「勝負を終わらせない」
この発想の転換だけで、打席で選ぶ行動は大きく変わります。
ボールを最後まで見る。
ギリギリまで引きつける。
インサイドアウトを意識し、ファールで命をつなぐ。
一球でも多く投げさせる。
この一つひとつが、追い込まれた打者の戦略になります。
よく「粘れる選手は技術がある」と言われます。
もちろん、それも事実です。
しかし私は、その前にあるのは「考え方」だと思っています。
何を狙い、何を捨てるのか。
何を優先し、何を我慢するのか。
その整理ができている選手ほど、無駄な空振りが減ります。
逆に、追い込まれても最初と同じ打席を続けようとする選手ほど、苦しい結果になりやすいのです。
ソフトボールは、状況に応じて最適解を選び続ける競技です。
ツーストライクは、その判断力が最も試される場面と言ってもいいでしょう。
だから私は、追い込まれることを悪いことだとは思いません。
むしろ、その選手の「野球脳(ソフト脳)」が見える瞬間です。
打席は、一つではありません。
ノーストライクの打席。
ワンストライクの打席。
そして、ツーストライクの打席。
それぞれで考え方を変えられる選手ほど、簡単にはアウトになりません。
技術はもちろん大切です。
しかし、技術を生かすのは「思考」です。
追い込まれたら終わりではない。
追い込まれたら、ゲームが変わる。
その変化に気づき、自分の思考を切り替えられる選手こそ、本当に勝負強い選手なのです。
一球の意味を考える
#014
ソフトボールは、一球一球の積み重ねで試合が動きます。
たった一球で流れが変わる。
たった一球の判断で、アウトが取れる。
たった一球への準備不足で、失点につながる。
だから私は、選手たちに「一球を大切にしよう」と伝えます。
でも、「大切にする」とは、ただ集中してボールを見ることではありません。
その一球に、どんな意味があるのかを考えることです。
例えば、無死一塁。
ピッチャーが投げる一球を、ただ「打つ・打たない」だけで考えてはいけません。
相手は何をしてくるのか。
走者はどう動くのか。
自分が打ったら、どこに打球が飛ぶ可能性があるのか。
アウトカウントはどうなるのか。
次の打者につなぐためには、何が必要なのか。
同じストライクでも、状況によって意味は変わります。
「ストライクだから打つ」
それだけでは、試合を考えているとは言えません。
「今、この状況で、この球をどうすることがチームにとって一番良いのか」
そこまで考えて、初めて一球の意味が見えてきます。
守備も同じです。
ランナーが一塁にいるときと、二塁にいるときでは、守備の意味が違います。
アウトカウントが「0」なのか「2」なのかでも違う。
点差が1点なのか、5点なのかでも違う。
試合とは、同じプレーを繰り返す競技ではありません。

状況が変わるたびに、正解も変わる競技です。
だから、私は「考える選手」になってほしいと思っています。
監督から言われたから動く。
それだけではなく、
「なぜ今、そうするのか」
を自分で考える。
そして、考えた上で自分の判断として動く。
それが、競技理解につながります。
もちろん、すべての判断が正解になるわけではありません。
間違えてもいい。
判断した結果、失敗することもあります。
でも、何も考えずにプレーすることと、考えた上で失敗することは全く違います。

考えた選手には、次があります。
「なぜ失敗したのか」を振り返り、次の一球で修正できるからです。
私は、ペガサスの選手たちに、ただ「上手な選手」になってほしいわけではありません。
試合を理解し、自分で判断できる選手になってほしい。
一球ごとに、状況を見る。
相手を見る。
仲間を見る。
アウトカウントを見る。
得点を見る。
そして、次に起こることを予測する。
その上で、自分は何をするのかを決める。
それが、ソフトボールの面白さです。
一球は、ただの一球ではありません。
そこには、状況があり、意図があり、選択があります。
だからこそ、私は選手たちに問い続けたい。
「その一球、どういう意味?」
答えを教えてもらうのではなく、自分で考える。
その積み重ねが、試合で勝つための「考える力」になります。
そしていつか、ベンチから何も言わなくても、自分たちで状況を読み、自分たちで判断し、試合を動かせるチームになる。

私は、そんなペガサスをつくりたい。
一球を考える。
一球を選ぶ。
一球で、試合を動かす。
ソフトボールは、そこまで考えると、もっと面白くなります。







